ゆっくりアオバです。
とりあえずごちゃまぜでデュアルドライブに使えそうかもしれないし
使えないかもしれない知識を列挙してそれについて話がしたいという記事です。
ここでは基本的に説明書に書いていないことの話しかしていません。
リミット充電モードとかここを見るような人は誰でも知ってそうな話はしません。
自己満足。
バッテリーと充電
B200バッテリーは10S3P(10直列3並列)の36V×6.2Ah=223Wh
B300バッテリーは10S4P(10直列4並列)の36V×8.1Ah=291Wh
B400バッテリーは10S4P(10直列4並列)の36.5V×9.9Ah=361Wh
B200とB300を分解してみましたが、
Samsung SDI製ICR18650-22Pが搭載されていました。
B400もSamsung SDI製のセルで、こちらはINR18650-29Eのようです。
底面の4本の端子から出力があり、
上側をボタンがある面にした際一番左が+、一番右が-で30~42Vが得られます。
真ん中二本は通信用みたい。
中華な充電器を左右の端子に接続したら普通に充電可能でした。
(これのみでは充電自体は可能ですが充電表示されず)
純正の急速充電器は41.7V 3A仕様なので、42V 3Aの充電器を用意すれば
持ち運べるサイズ感になるので遠征にも使いやすくて良さげ。
(自分はアリエクで買った42V 3A充電器の端子をこねくり回して使ってます)
リミット充電モードを使う場合は右から2番目を+、-端子を-として
3Vほどをかけながら充電をすると
うまく作動し、充電表示にもなります。(通信しているわけではない模様)
電動アシストのバッテリーを分解して18650セルを手に入れようとする輩が居ますが、
BMSだけくれないかなあと思っております。
自分はBMSの分析しかしていないのでセルは格安で売っぱらってあげているのです。
ここで無駄な競り合いが発生するので困るんですよね。
そもそも正常品からセルを抜くなって話で。
モーター
初代アルベルトeやエベルトが出ていた頃には
アシスト比率が"ほぼ"1:2としてアピールされていた
ブリヂストンのデュアルドライブですが、
テストモードで確認してみたところあまりに急な坂(20%以上)を登ると
モーターがフルパワー表示になり、1:2どころの話ではなくなっていそうです。
トルクがセンターモーターより劣るのは体積が限られるハブモーターの宿命ですね。
ある程度の坂まではモーターに余裕があり、踏み増すとよりアシストが増えますが、
急坂で10km/h前後で走行していると
踏み増してもアシストがそれ以上増えない感覚があります。
また、配線についてですが3相のDCブラシレスモーターであるのはもちろんですが、
そこに加えてスピードセンサー類のカプラーが存在します。
ただリミッターカットに関しては流石に簡単ではないご様子。
(別のモーターを繋いだりしてもカットされない)
ホールセンサーからブラシレスモーターの制御のついでに
スピードを検知してるっぽいので、
制御回路丸々置き換えるみたいなことをしなければ無理でしょうね。
アシスト力の制御
基本的にエコ・オートでは強く踏んでいる時以外のアシストパワーを制限することで、
航続距離を飛躍的に伸ばすことに成功しています。
(回生ブレーキによる航続距離延長は20%~30%が限界かも)
逆に言えば、センターモーター車のような強いアシストが欲しければ
パワー以外の選択肢はありません。
おそらくパワーモードのみの動作と思いますが
15km/h以下で一度トルクを抜いてもう一度強く踏み込む(踏み直し)と
モーターに余裕があれば約5秒間強いアシストが持続します。
これを繰り返すことでより楽に登坂することも可能です。
パワーセーブ(オーバーヒートとも)
しばらくフルパワーで坂を登っていると気温など周辺状況にもよりますが
モーターの過熱で段階的に制限が始まります。
90%→80%→70%→...と制限されていき、40%くらいまで低下するのは確認しています。
80%まで制限されると踏み直し時のパワーも制限されるようです。
エラー表示(シンプルパワーパネル)
イベントランプが赤色点灯している場合、エラーが表示されてます。
詳細な内容はスマートワンタッチパネルの方と当てはめてご覧ください。
(左から1,2,3,4,5灯と表記します)
1灯目点灯=モーター駆動部異常
2灯目点灯=回転数センサ無応答
3灯目点灯=トルクセンサ無応答
4灯目点灯(1灯目早点滅)=バッテリ通信異常
5灯目点灯=操作パネル通信異常
エラー表示(スマートワンタッチパネル)
E1=モーター駆動部異常
遭遇したことがないので不明。
E2=回転数センサ無応答
スピードセンサーが信号を返せなかった場合に発生。
フロントカバー内の8ピンカプラー、車体下部カバー内の8ピンカプラーを確認。
簡易診断としてフロントカバー内カプラーの
赤色線と灰色線を直結してエラーが出なければ
モーターのセンサーが故障している。
E3=トルクセンサ無応答
トルクセンサーが信号を返せなかった場合に発生。
車体下部カバー内の2つの小さい3ピンコネクタを確認。
E4=バッテリー通信異常
バッテリーとの通信ができなかった場合に発生。
バッテリーを取り外し、中心2本から3.0Vが出力されているのを確認。
車体下部のカバーを開け、バッテリー端子から出ている
青線2ピン用カプラーの接続を確認。
(カプラーは2ピンだが実際に使用されているのは1本)
E5=操作パネル通信異常
遭遇したことがないので不明。
E6=ライト異常(機能検査モードでのみ拾えるかも)
システムを起動してもライトが点灯しない(電流が流れない)か、
短絡保護が作動した場合に発生。
ライトが接続されているか、ライト内部で短絡が起こっていないか確認。
機能検査モード
電源オン→アシストオフモード(ライト長押し)→平地回復充電モード変更操作(ブレーキ、ライト、電源すべて長押し)
とすると機能検査モードに移行します。
パワーモードのランプが最初は点滅していますが、電源ボタンで遷移、ライトボタンで確定です。
パワー(点滅中):エラー情報の表示(E1,E2,E3,E4,E5,E6)
パワー(確定):聞いた話では回生充電量に関する表示のようですが良くわかりません。
オート(点滅中):クランク回転センサーのチェックが可能です。
オート(確定):モーターのトルク出力に関する表示です。
エコ、オート、パワーそれぞれのモードでのアシスト作動状態を確認できます。
エコ(点滅):特にないようです
エコ(確定):モーターのテストです。エコモード点滅状態からライトで確定すると
モーターが回転し始め、正常な場合「88」、何らかの理由で作動しない場合「E2」を示します。
電動アシストシステムの互換性
シンプルパワーパネルとスマートワンタッチパネルや、(かんたんパネルは不明)
デュアルドライブのモーターには互換性があると思われます。
シンプルパワーパネル搭載車(エベルト)に
スマートワンタッチパネルを搭載した事例を確認しています。
モーターについては、途中で回り止めが変更されてその間の互換性はなさそうです。
~2018モデルは回り止めがフォークに固定されていませんが、
2019モデルからフォークに固定され、よりモーターの回転によりずれるリスクが減りました。
少なくとも2019年モデル~2023年モデル間では確実に互換性があります。
(自分のTB1eにも修理で2022年モデルに搭載されていたモーターが搭載されています)
ただ、ラクット20のモーターとの互換性はないようです。
システムの正式名称
インバーター:Think Box
前輪モーター:BSインホイールモーター
情報ソース(途中)
ブリヂストン サービスマニュアル(2021年版)※見せてもらっただけ
ブリヂストン TB1e TB7B41 機能検査モード